粉体塗装とは
塗装というと液状のものを原液のまま塗ったり、シンナーで希釈したり、スプレー缶のように霧状にして噴霧する方法がすぐに思い浮かびますが、粉体塗装とは塗料に溶媒を含まず乾燥したパウダーだけで塗装する方法で、パウダーコーティングとも呼ばれます。
塗料に含まれる有機溶剤：揮発性有機化合物（VOC）は揮発すると光化学スモッグの原因となり、一定規模以上の事業所では有機溶剤の大気放出削減が法律により定められています。 そのため日本国内ではこの30年、排出時に燃焼させたり活性炭などに吸着させる有機溶剤回収装置で処理したうえで排気する対策が取られてきた他、水性（水100%ではなくアルコールを含む場合あり）塗料に切り替わってきた、いわゆる水性化が進みました。しかし、VOC自体の人体への影響をはじめ、燃焼時のCO2排出、回収装置の設備費用およびランニングコスト、汚れた水処理への対応など各々問題があることから徐々に粉体塗装への切り替えが進みつつあるところです。いっぽう中国では有機溶剤の使用をやめて、一気に粉体塗装へのシフトが進みました。
粉体塗装は溶剤を一切使用することがなく、パウダーの適切な管理さえ怠らなければ環境に優しい塗装方法です。パウダーの回収再利用もされるので無駄になる塗料が極めて少なく高度に管理された塗装装置であれば液体塗装と比べてロス率は10分の１以下とも言われています。
長所
・VOCによる人体への健康被害がない
・空気を汚さない
・水を汚さない
・材料ロスが少ない
短所
・塗料は飛散防止などしっかりした管理が必要
・段取り時間がかかる
・粉を吸引しないよう防護服や防護マスクが必要
粉体塗装の種類
粉体塗装は静電粉体塗装、流動浸漬粉体塗装、静電流動浸漬塗装がよく知られており、そのほかに粉体溶射塗装という方法もあります。
当社の取り組み
お客様の仕様に合わせた各社塗装を行う他、製品の要求品質や用途、特性などによって、最適な塗装方法を提案しています。
当社では、静電粉体塗装を社内工場で、それ以外は提携工場にて行っています。
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