鍛造とは
ダイカストやロストワックスなどの鋳物は型に溶けた金属を流し込んで成形します。鍛造は金属を叩いて(鍛えて)成形する製法です。
叩くことで不純物や内部の空気を取り除き、結晶を細かくして方向を揃えることにより強度が高まります。鋳造と同じ強度で良いならその分薄くする事ができるので軽量化にも有効です。鍛造マシンの能力はトン数で示されます。
・3つの加工温度域
鍛造には、熱間鍛造、温間鍛造、冷間鍛造の3つの加工温度域があります。
[熱間鍛造とは]
熱間鍛造とは金属の歪んだ結晶構造を正常な結晶に再結晶する以上の温度に加熱して鍛造する方法です。鉄なら1100℃~1250℃、真鍮は700℃~750℃、アルミは400℃~450℃が一般的で、柔らかくなるまで真っ赤に熱せられてプレスされます。
・熱間鍛造のメリット
少ない力で成形する事が可能なため、大きな製品や複雑な形の製品を成形するのに向いています。
・熱間鍛造のデメリット
熱収縮があるため寸法精度は冷間鍛造と比較して低めです。
表面は加熱による酸化皮膜、いわゆる黒皮に覆われます。用途に応じて皮膜の除去を行う必要性が生じます。
熱気と騒音で労働環境は極めて過酷です。
[冷間鍛造とは]
冷間鍛造とは加熱せず一般雰囲気下でプレスする鍛造方法です。
・冷間鍛造のメリット
外観が綺麗で寸法精度に優れています。
生産性に優れ大量ロットに向いています。
・冷間鍛造のデメリット
冷たく硬い金属を成形させるため、大パワーのプレスマシンが必要です。
複雑な形状は高価な金型をいくつか用意して少しずつ形を整える必要があるため不向きです。
高強度の金属や大きな製品の成形は不向きです。
[温間鍛造とは]
熱間鍛造と冷間鍛造の中間に位置する温度域に加熱させてプレスする鍛造方法です。
・温間鍛造のメリット
熱収縮が少なく、熱間鍛造より寸法精度に優れます。
酸化皮膜が生成されにくく、表面外観の悪化が回避出来ます。
冷間鍛造より成形しやすいため高炭素鋼やsus304のような成形が難しい素材でも成形が可能です。
・温間鍛造のデネリット
高度な温度制御が必要なため、機械が大きく高価です。
冷間鍛造よりは寸法精度に劣ります。
当社の取り組み
鍛造は提携協力工場で行っています。
切削など後工程を自社工場で加工することで品質を保証しています。用途に応じて最適な鍛造方法を選定できることと、鍛造に用いる金型の価格競争力が当社の大きな強みです。
ドアtoドアの物流サービス、日本国内の営業窓口など顧客サービス体制作りにも努めています。
鍛造工場 |
630t鍛造マシン |
・炭素鋼、ステンレス、アルミニウム、真鍮、マグネシウムなど広範な材料に対応
・熱間鍛造、温間鍛造、冷間鍛造に対応
・製造性考慮設計(Design For Manufacture:DFM)提供
・小ロット低コスト製造に対応
・機械加工に対応
・X線検査、渦電流検査、超音波検査など各種非破壊検査に対応